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創作者と創造

〜Meine Meinung編〜

​#3 Meine Meinungの活動について

加藤 Meine Meinungとしては、僕は確かにユーザーに喜んでもらいたいっていう気持ちはありますけど、だからといって今のユーザーのトレンドに全部従うとか、そういうつもりではないですね。さっきも言ったようにメンバーは自分のやりたい事をしっかり持っているし、そういった部分も尊重したい。という事はある程度バンドとしての自己表現っていう、いわゆるエゴというか、そういう部分を持って活動している側面もある訳じゃないですか。そういった場合っていうのは需要と供給のバランスが崩れる事っていうのは絶対ある訳ですよね。要するに黒字がちゃんと取れない時っていうのが出てくるので、その時に今の自分のスキルを使って、自分の好きっていうモノを買ってくれる人たちに対して何か一定のサービスを提供するっていう事を、いわゆる収入の柱として立ち上げて、それで培ったノウハウをまたバンド活動に活かす事が出来れば、バンドでやっている中では見えなかったものが見える可能性があると。なので会社としては、100%クライアントに喜んでもらえるモノを作るっていうコンセプトに振り切った状態でやっていくっていう事で始めた、という感じですね。

 

つれづれ バンドとしてニーズに応えるっていうことと自分達のやりたいことっていうのを上手く切り分けられてるなという印象で非常に尊敬しているのですが、それこそバンド一つで叶えようとするとなかなか矛盾してしまう所というか、悩む所だと思うんですけど……。

 

加藤 前にゲームの曲を作った時に、「いや〜いいメロディかけたな〜」と思って納品したんですけど、「これでいいんですけど、メロディカットでお願いします」って言われてそれを納品したら「これこれ、これです!」って(笑)。まあでも喜んでもらえたから良かったかな。

 

つれづれ エグいですね(笑)。

 

加藤 メロディの無い音楽が欲しかったっていう。そんなのはよくあります。でもメロディ無しで曲を聴いてたら、確かにこれはこれで……って(笑)。

 

一同 (笑)。

 

つれづれ 自分達では気付かない新たな発見というわけですね。実際に自分達がバンドとして作る楽曲と、委託として作られてる楽曲の意識の違いはあるんですか?

 

加藤 自分がやりたい事っていうよりも、クライアントの発注を優先するという事ですね。納期が厳しかったりする事もあるので、生で録音する暇が無い時もあります。バンドだとやっぱり納得するまでちゃんとやりたいんで、いいスタジオで録ってお客さんにこれだったら聴かせられるっていう状況でやりますが、正直これじゃお客さんには聴かせられないよな……って思っても無理矢理出すとか。

あとは、自分のやりたいことは排除するっていう事ですね。実はちょっとは入れてるんですけどね。やっぱり不得意なモノを書くと結局それはバレちゃったりするので。だから指定が無ければ自分がなるべく得意な分野で勝負した方が、"良い"って言われやすいっていうのはあると思うので。何の曲書いても良いですよって言われてわざわざEDMを書く事はしないんですけど、もし向こうからEDMを書いて下さいって言われたら、出来なくてもそこから一所懸命検索するなりしてEDMっぽいモノを作って出すっていうのが、音楽制作の仕事の方のやり方ですね。Meine Meinungだったら逆に、EDMのリクエストが来ても「うちは今そういうのやりたくないんで」って言えるので、それはやっぱりバンドとしての主軸みたいな所ですかね。

 

つれづれ そうやって上手く自分達の中で創作を切り分けていくことで、自分達のブランディングがよりしっかりしてくるという印象を受けました。勉強になります。今の話を踏まえて先ほどはバンド結成当初の目標を伺いましたが、現在の活動形態で目指されている目標とか達成したい事があれば伺いたいのですが。

 

加藤 会社としてはいわゆる、即戦力的な部分のビジネスをしっかり取って信頼とか実績を積みながら、最終的にはバンドも含めてなんですけど、うちの会社から発信出来る、いわゆる"ウケる"事業とかを作っていけるようになりたいっていうのが、少なくとも僕は目標として持っていて。その準備的な事は、少しずつなんですがMeine Meinungを通して始めてたりとか色々やってみてはいるんですけど。

例えば具体的に分かりやすくっていうと、"僕は"ですけど、ゲームを作りたいですね。自分が直接プログラミングする訳じゃないですけど、自分は音楽を作るけど、Steamとかに出すちっちゃなゲームでいいから何か企画して作ってみたり出来たらいいなあとか、そういう夢はありますね。

 

つれづれ なるほど。他の方達は活動されていて何かやりたい事はあるんでしょうか?

 

須崎 まぁ今の内容と同じ感じですね。

 

つれづれ ありがとうございます。ここで話は少し変わりまして今回「ソウシコウ~縁について~」にご参加いただいたわけなのですが、最初に声をかけられた時の印象はどんな感じでしたか?

 

 アツい方だなと(笑)。

 

一同 (笑)。

 

 お話ししていて、多角的な表現の仕方を考えていらっしゃっていて、私達もそういう風に考えていたので方向性が似ているのかなと思いました。

 

つれづれ コミティアの会場でお会いして試聴させてもらった時に、直感的に好きなジャンルだなって思ったんですよ。でも、もし自分がバンドマンのままだったとしたら一緒に対バンしましょうと声はかけづらかったと思うんですよ。自分達とは少しジャンルが違うので、お互いのお客さんを誘い合うメリットもあまり感じられないと思って……。自分が好きな音楽ジャンルは他にも色々あるけど、バンドでやっていたときは誘えるアーティストがかなり限定されていたんですよね。でもいままでMeine Meinungさんにお話いただいたように自分たちが尊敬できるアーティストは他のジャンルやコンテンツに多くいて、その人達となんとか繋がりたかったんですよ。それの成れの果てが「ソウシコウ」だったみたいな(笑)。

ソウシコウは、"考える"ということを共通テーマに自分達の尊敬できるクリエイターとどこまでも繋がっていけるし、今までにない面白いものを一緒に創っていけると思っています。まだまだ理想までにはほど遠いですが……。

そういう意味でこの活動を通して出会えた貴重な方々だと思っています。実際に参加されてみての印象や、もっとこうしていったら面白いんじゃないかなどアドバイスなんかを頂ければと思うんですがいかがでしょうか。

 

 今回は「縁」というテーマで参加させてもらいましたけど、みんなが一つのテーマで観てる角度が違っていて、他の方の作品を観てて楽しいなって思いました。こういう風に感じる方もいるんだ、みたいな。そういう色んな側面を自分達も参加して考えさせられました。まさに冊子のテーマだと思うんですけど。他の参加されたクリエイターの方も色々考えたりしたんじゃないかなと思うので、良い作品だと思います!

 

つれづれ ありがとうございます。文章を書かれたりすると仰っていましたが、文字で改めて音楽を伝えるっていうのはどうでしたか?

 

 難しいですねやっぱり。作詞をするっていうのと文章を書くっていうのは全然違うので。伝える事ってホント難しいなって思いました。

 

加藤 僕は、この企画がどんどん色んな人を巻き込んで大きくなっていってくれると良いなと思っていて。それが凄く楽しみだし、クリエイターが作ったものを"聴いて、はい終わり"ではない形にしてくれる、二度美味しいみたいなそういう事を提案してくれるのは凄くありがたいと思うし、それって消費する側も生産する側も思うんですね。なのでそういった部分が大きくなって広まっていってくれるっていうのは、面白い企画だなって思います。

 

つれづれ ありがとうございます。須崎さんはどうでしょうか?

 

須崎 こういう貴重な考えるっていう機会になる作品として、色んな人に手に取ってもらいたいなって思いますね。……二人が言ってくれてたんで、そういう感じです(笑)

 

一同 (笑)。

 

つれづれ 最後になりますが、各々クリエイターとして色んな経験をされてるかと思うんですけど、議事録といって一つのテーマに対してざっくばらんにフリートークで喋りたいテーマを四つ用意しているんですが……。

 

(選択肢を見せる)

 

つれづれ クリエイター視点として、読者の方が「なるほど」ってなるような意見とか想いがあれば。

 

須崎 『「評価」とは何か』はどう?

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